新年のご挨拶
令和7年1月1日
皆様,新年あけましておめでとうございます。謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
長かったように感じられるCOVID-19からもやっと回復し、経済もインバウンド需要もあり、コロナ禍前のような感じに回復してきたように思っています。学会行事も対面が中心となり、活発な討論会や研究会が帰ってきた感じがします。とくに2024年9月18-20日に名古屋大学で開催された討論会は、非常に暑い議論が多く行われたと思います。とくに若手が議論に多く参加している様子を見ることができたことは、頼もしく思いました。あまりの熱気に、特別講演の会場のエアコンが利かなくなるほど、暑い討論会であったと思いました。金沢で開催された若手会の第44回夏の研究会も100名近い参加者と3日間にわたる活発な討論が行われ、講演会での活発な討論やポスターでのビールを傾けながらの議論など、学会の今後を担う若手の様子を見ることができた。ぜひとも今後の触媒学会を牽引していってほしいと願う次第である。
それにしても2024年の夏は本当に暑かった。連日35℃を超える日が続き、地球温暖化もいよいよ、加速度的に進んでいると思わされる状況である。気象変動により、豪雨災害が増えるのみでなく、自然環境の変化も進んでおり、熊を始めとする獣害もひどくなっていると聞く。季節の味覚にも変化が大きく、秋刀魚のように安く食べられた食材が高級食材になったりと、環境の変化の著しさに驚くばかりである。これらの環境変動は、CO2を始めとする温暖化ガス濃度の増加によると考えられており、その抑制や、社会の脱炭素化は今急ぎ取り組まなくてはならない喫緊の課題である。カーボンニュートラル化には触媒が果たす役割が大きく、今後、触媒学会の取り組みが期待されていると思う。学会を上げてぜひ、組織的に取り組みたいと思っています。
ところで、2024年には取り組んできたInternational Congress on Catalysis(ICC)2028を誘致することができた。関係各位の努力に感謝するとともに、学会を成功裏に導くように、ここでも学会を上げての取り組みが求められており、皆様のご協力をお願いすることが多くなると思いますが、よろしくお願いします。
学会にとって若手会員を増やしていくことは、永続性を考えると非常に重要な課題であり、現在取り組まなくてはいけない重要課題と考えている。とくに学生会員を増やすのみでなく、学生会員から正会員として、学会活動を行ってもらうにはどうするべきかを考えなくてはいけないと思っている。企業に所属する若手に、正会員の資格を維持してもらえるようにする学会の魅力度のアップが重要と考えており、意見交換会等を通して、若手の声を聴くとともに、学生会員の会費で2年間、正会員の資格を維持できるキャンペーンを開始したところである。学会に占める若手の割合が増加することを願う次第である。最後に、今年は災害のない、平和な1年であってほしいと願っています。
会長メッセージ
令和6年5月29日
このたび令和6年度の会長を仰せつかりました石原達己です.触媒学会には学生の時に入会し,愛着を持って活動を行ってきましたが、今回、会長をさせていただけるということで、薩摩前会長の方針を継続して学会の発展のために働かせていただきたいと思っております.
コロナ禍も, なんとか過ぎようとしており、手探りながらようやく以前の日常が戻りつつあります.対面での議論とその後の意見交換、懇親の楽しさを再確認しながら、触媒学会の活動を活発にしていきたいと思っています。とはいえ、コロナ禍で分かったことがあり、オンラインでの講演や会議では比較的、距離や時間にとらわれなくても、いろいろなことができるということです。今後の学会での存在価値やvisibilityを上げる上では、非常に有効な手法であることが分かったことです。オンサイトの良さとオンラインの気軽さを上手く使って、学会の活動を盛り上げるように努力する所存です。
所信表明でも述べさせていただきましたが、学会として、継続的に取り組まないといけない課題が3つあると思います。一つ目は、触媒学会のとことん討論する姿勢を維持しつつも現状の若手が参加しやすく、活躍できる環境つくりをしていく必要があると思います。現在、触媒学会は会員数の減少にやや歯止めがかかった感がありますが、これは社会がカーボンニュートラル化に向けて動く上で、触媒の重要性を認識していただいているためと思っております。学会としてはこの流れをいっときの流行りにしないように、継続的に取り組んでいく必要があると思います。テーマシンポジウムや分野横断型のシンポジウムなどを行い、情報発信に取り組み、触媒の重要性を社会にアピールしていければと思っています。研究会を連携した横断型の講演会やテーマセッションを設けることで、成果のアピールと研究会の活動の活性化をサポートしていきたいと思います。カーボンニュートラル関連技術に関しては、トータルとして本当に意味のあることをしているかを、常に考えながら、学会活動の活性化に向けて支援を行っていきたいと思います。
一方で、若手研究者の割合の低下が今後、学会の維持において深刻な影響を及ぼすと認識しており、アカデミアのみでなく、企業の若手研究者が参加しやすい学会つくりを進めていきたいと思います。企業会員の方々にはぜひ、若手を各種のイベントに参加するように背中を押していただくとともに、学会としても若手が参加しやすい企画を支援していきたいと思います。若手からの意見を聞ける機会を増やして、触媒討論会への若手研究者の参加を促す企画を立てるとともに、学生会員から触媒学会で活動する若手研究者の育成に努めたいと思います。
国際化はさらに重要な課題であり、ICC 招致に向け、ひきつづき活動を支援していきたいと思います。このために、触媒討論会等への海外の著名研究者の招聘や若手の海外への派遣の支援にも、積極的に取り組んでいきたいと思います。オンラインを上手く利用して、海外の著名研究者の討論会での招待講演会等にも取り組み、新しい情報を発信できる学会を目指したいと思います。よろしくご支援をお願いします。