ごあいさつ

会長メッセージ

令和6年5月29日

令和6年度 触媒学会会長
石原 達己
ISHIHARA Tatsumi 
(九州大学)

 このたび令和6年度の会長を仰せつかりました石原達己です.触媒学会には学生の時に入会し,愛着を持って活動を行ってきましたが、今回、会長をさせていただけるということで、薩摩前会長の方針を継続して学会の発展のために働かせていただきたいと思っております.
 コロナ禍も, なんとか過ぎようとしており、手探りながらようやく以前の日常が戻りつつあります.対面での議論とその後の意見交換、懇親の楽しさを再確認しながら、触媒学会の活動を活発にしていきたいと思っています。とはいえ、コロナ禍で分かったことがあり、オンラインでの講演や会議では比較的、距離や時間にとらわれなくても、いろいろなことができるということです。今後の学会での存在価値やvisibilityを上げる上では、非常に有効な手法であることが分かったことです。オンサイトの良さとオンラインの気軽さを上手く使って、学会の活動を盛り上げるように努力する所存です。
 所信表明でも述べさせていただきましたが、学会として、継続的に取り組まないといけない課題が3つあると思います。一つ目は、触媒学会のとことん討論する姿勢を維持しつつも現状の若手が参加しやすく、活躍できる環境つくりをしていく必要があると思います。現在、触媒学会は会員数の減少にやや歯止めがかかった感がありますが、これは社会がカーボンニュートラル化に向けて動く上で、触媒の重要性を認識していただいているためと思っております。学会としてはこの流れをいっときの流行りにしないように、継続的に取り組んでいく必要があると思います。テーマシンポジウムや分野横断型のシンポジウムなどを行い、情報発信に取り組み、触媒の重要性を社会にアピールしていければと思っています。研究会を連携した横断型の講演会やテーマセッションを設けることで、成果のアピールと研究会の活動の活性化をサポートしていきたいと思います。カーボンニュートラル関連技術に関しては、トータルとして本当に意味のあることをしているかを、常に考えながら、学会活動の活性化に向けて支援を行っていきたいと思います。
 一方で、若手研究者の割合の低下が今後、学会の維持において深刻な影響を及ぼすと認識しており、アカデミアのみでなく、企業の若手研究者が参加しやすい学会つくりを進めていきたいと思います。企業会員の方々にはぜひ、若手を各種のイベントに参加するように背中を押していただくとともに、学会としても若手が参加しやすい企画を支援していきたいと思います。若手からの意見を聞ける機会を増やして、触媒討論会への若手研究者の参加を促す企画を立てるとともに、学生会員から触媒学会で活動する若手研究者の育成に努めたいと思います。
 国際化はさらに重要な課題であり、ICC 招致に向け、ひきつづき活動を支援していきたいと思います。このために、触媒討論会等への海外の著名研究者の招聘や若手の海外への派遣の支援にも、積極的に取り組んでいきたいと思います。オンラインを上手く利用して、海外の著名研究者の討論会での招待講演会等にも取り組み、新しい情報を発信できる学会を目指したいと思います。よろしくご支援をお願いします。